完全無穴になった。直腸ガンによるストーマ手術(人工肛門)は想定外。人生初の入院生活と人工肛門(ストーマ)となって退院するまでのてんまつ記。

「喧嘩するほど仲がいい」夫婦。

「喧嘩するほど仲がいい」夫婦。

直腸ガン手術で人工肛門・ストーマになる人は多い
この湘南鎌倉総合病院でも人工肛門の造設が月に10人くらいの場合もあるという。
しかし自分のように3週間も入院するのは希だと言われた。
手術後の三日間は個室だったが、後はずっと822号室で同じベッドだった。

入院中のベッド

病気の種類にかかわらず、入院患者は平均して3日から1週間。
それでも平均すると入院は7〜8日だと隣のお爺ちゃんが言っていた。
交通事故などの人や若い人はすぐに出て行かれるのだが。
とにかく最近では早期退院、早期リハビリが重要らしい。

この部屋にも若い人が何人か入院してきたがすぐに退院される。
若い人には見舞に来られる方も若い人が多い。

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若い人は声が小さいから会話などもほとんど聞こえてこない。
聞こえてくるのはおじいちゃんおばあちゃんの場合。

おじいちゃんおばあちゃんは声が大きい。
お年寄りにはお年寄りの見舞客が多いのも特長のようだ。
長期入院のおじいちゃんのベッドの向かい
ボクの斜め向かいにもおじいちゃんが入院していた。
ストーマでの入院ではなかったようだが・・・

このおじいちゃんのところにもおばあちゃんが見舞いに来る。
ある日の二人の「けんか」はこんな感じだった。

「どうですか、具合はいかがですか」
「うん・・・」
「お食事は召し上がっていらっしゃいますか」
「んっ・・・」
「痛むところはございませんか」
「んっ・・・」

「保険証持ってきてくれた?」
「ありませんでしたよ」

「何処においてあるの」
「どこってお前、俺の机の箱の中と言っただろ」

「どんな箱ですか」
「四角い箱だよ」

「机の上に箱はありませんよ」
「四角い箱があるだろ」

「机の上に箱はなかったですよ」
「それじゃあ引き出しの中だよ」

「今度は引き出しですか、はいわかりました」
「帰ったら見ます」

「ラジオも持ってきてくれ」
「どこにあるんですか」
「箱の上」
「四角い箱ですか」
「そうだ」
「・・・・」

「机の上の箱?箱はないのよ」
「・・・保健所は箱の中のカード入れに入ってるよ」

「箱は無いって言ったでしょ」
「カード入れの中だよ」

「カード入れに保健所が入るわけないでしょ!」
「じゃ、どこにあるんだ」

「私は知りませんよ、どこにしまったんですか」
「どこって、お前・・・」

「まったくお前は何も出来ないんだから・・・」
「はい、何も出来ないのよ、だから困っちゃうわね」

「何も出来ないし、分からないから、だから聞いてるんでしょ」
「・・・痛いんだ!うるさい!もういい!」
「・・・まったく融通がきかないんだから・・・」
「はい、私は融通がきかない女なの」

「まったくいやになっちゃうな〜・・・」
「いやになっちゃうわね〜」
「・・・・」
「おい、水!」
「はい!」

「おいしいですか」
「うん・・・」
「もっと飲みますか」
「もういい」

「帰ったら保健所とラジオ探してみますね」
「うん・・・」

「他にご用はないですか?」
「うん・・・」

「じゃぁ帰りますよ」
「うん・・・」
「また来ますね」
「うん・・・」

たいがい、お爺ちゃんお婆ちゃんの話し声は大きい。
ハラハラしながら聞いていたのだが。

このおじいちゃんあんおばあちゃんはいつも
喧嘩しながら仲良く暮らしてるようだ。
80代のご夫婦のようだが、ずっとこんな感じで過ごしてきたんだろう。

傍から聞いているとハラハラするが、お二人には当たり前の会話かも知れない。
歳とると物忘れもするだろうし、気短にもなるだろうが、そんなことは平気で
思ったことをズバズバ言い合うのも元気の源かも知れない。

このお爺ちゃんはすぐに、822号室から別の部屋へ移って行った。
保険証とラジオは見つかったのかしら・・・
今も相変わらず喧嘩しながら楽しんでいる事だろう。

喧嘩するほど仲がいい・・・・。

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