完全無穴になった。直腸ガンによるストーマ手術(人工肛門)は想定外。人生初の入院生活と人工肛門(ストーマ)となって退院するまでのてんまつ記。

人工肛門でパウチ装着のまま、内視鏡による大腸検査(当日)。

人工肛門でパウチ装着のまま、内視鏡による大腸検査(当日)。

マグコロールP


風邪の治りかけで鼻水と声が少し変だが・・・検査を受けた。


きょうは湘南鎌倉総合病院で内視鏡による大腸検査の日だ。
受付へ行くと、昨年と同様、
すでにたくさんの人がパウチボトル入りの水溶液を飲み始めている。



朝8時20分、自分も係の人から「マグコロールP」という水溶液をいただく。
1800ccというパウチを渡され2時間程度で飲みきるように指示される。



一年前にも飲んだから、今回は量には圧倒されなかった。
風邪気味のせいか、喉が渇いていたせいか、独特のイヤな匂いも気にならず
比較的美味しく一時間半ほどで飲みきった。


あとは排出を待つだけだが、約2リットルの水分を飲みきり
腸内を洗い流す・・・・・・もし、この水が一気にパウチに流出してきたらどうしよう。
ストーマ(人工肛門)がついたお腹の出口では肛門があった時のように便意が我慢出来ない。
ストーマの一番こまる事は便意がなく、排泄をコントロールできない事だ。


パウチの容量はパンパンに入れても300cc程度の筈だ。
一気に流出してきてパウチが破裂でもしたら大変だ。


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とりあえず「マグコロールP」は全部飲み終わったので
お腹のパウチの上に手を添えたまま、持ってきたipadで小説を読みながら待つ。
10時半頃、生暖かい液体が溜まる様子とともにパウチが膨らみ始める。
いざ!・・・、足早にトイレへ・・・。


ここ湘南鎌倉総合病院の内視鏡検査室では、
専用のトイレがいくつも用意されているのだが
同じフロアには、障害者専用の広いトイレも併設されているので、そこへ駆け込む。
パウチが一杯になったらいつでも排出出来るよう、便座の前で構える・・・


数分待つ間にパウチ内は 2/3 程度の容量になり落ちついたようだ。
ホッとして排出、清掃したうえで待合室に戻る。
一気に手に負えないような大量の排出は無さそうだ、と一応安心する。


時計はすでに11時をまわっている。
その後は2〜30分間隔で、100cc位の排出があるようだ。
そのたびに捨てに行き、排泄液が透明になるのを、ひたすら待つ。


待合室の机の上には五段階くらいの色のついたカードが置いてあり
左側が濃い茶系。だんだん薄くなり一番右が薄黄色い透明色になっている。
自分の排泄物が透明に近い色になった場合はトイレを流さないまま
受付の女性に見ていただき、OKが出れば検査室へという事になっている。


昨年の時にもご苦労様、と思ったのだが
この色を鑑定する係というか、お役目は大変なお仕事だ。
いやな顔ひとつしないで、検査を受ける人、全員の便器の中を覗いて「まだです。OKです」と
ニコニコと対応されている(感謝)。


きのうは準備よく朝から検査前日用食事エニマクリンを食べたから

エニマクリン


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今日の検査は排泄もすんなり行き、検査も早々と終わるだろう・・・と思っていた。


しかし・・・・・・


昨日は「エニマクリン」だけしか食べなかったのに・・・
今朝も早々と、あんなにたくさん「マグコロールP」を飲んだのに・・・

その後の排出される色が黄色っぽいまま、なかなか透明に近付かない・・・
係の女の方がじっとしていないで歩いた方がいいと言うので、公園へ行ったり院内を散歩したり・・・・

午後4時・・・もう、内視鏡を受けにで来られた方は、ほとんどいない。
この時間になって、自分は少ない量しか排出しなくなった。
それでも、今朝から7〜8回は排出したと思う。

回りに人もいなくなり、係の方がどうでしょうと言うので
パウチを付けたまま、見ていただくと「少しまだ黄色いけど大丈夫でしょ」と
やっと許可が下りた。更衣室へ急ごう。


検査室へはパウチを付けたまま入るように言われていたので
取り替え用の予備のパウチを用意して検査室へ入った。


ここからは、お腹とお尻の位置が異なるだけで、やることは昨年と同じ。
T先生とS先生、H看護師がテキパキと進行していく。


「パウチ外して検査しますか」
「それとも切り取って、内視鏡入れましょうか」と先生。

よくわからない。どちらでもいいです。先生のやりやすい方法でいいです。
「内視鏡を差し込む部分だけ切ってやった方がいいかな・・・」
「取り替え用のパウチ・リムーバー・パウダー・ガーゼも
 一式、この場に持ってきてます」と答える。


「準備万端ですね、それなら安心だ」
「じゃぁ切り取りましょう。Hさん切ってください」


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「T先生、去年の検査の時はちょっと痛かったし
 終わってから2時間くらい苦しかったから、
 麻酔だか鎮静剤?だか知りませんが
 痛くないようにお願いね」と念を押す。
「了解」と先生。


横になってしばらくすると腕に注射針を刺され、指もクリップのようなもので挟まれた。
・・・しばらくすると頭の中が少しぼんやりし、気持ちが軽くなったような気がした・・・
なんだかお酒に酔っているような、うっとりした気分になってきた・・・
どうやら薬が効いてきたのか、気分が “ハイ” になってるようだ・・・
夢心地で「熱燗もういっちょ!」「アイヨッ」などと言葉を交わしたたような・・・


・・・すると、天井いっぱいにスクリーンが映し出されてきた・・・
・・・マウスを動かすと表示されている好みの画面が、選べるようになっている・・・
・・・クリック、クリックと画面を次々と選択出していくと・・・
・・・「すごい!病院のバーチャルもここまできたか」・・・
・・・希望する項目をマウスで選びながら、先へ先へと進んでいく・・・
・・・やがて・・・人差し指でのクリックが反応しなくなった・・・なんだかおかしい。。。


ふと、気がつくと人差し指に付いているのはマウスではなく、血中酸素を測るクリップ。
改めて上を見ると、天井は普通の天井のままだ。何も映っていない。

一瞬だったか、十数分なのか・・・マウスで遊んでいた。
あれは何だったんだろう・・・幻覚だったのだろうか・・・・

目を移すと、先生と看護師さんが
モニターを見ながら、せっせと内視鏡の器具を操っている。
左下方のモニターには自分の腸内が映し出されている。


・・・あれっ!・・・いま自分は・・・やっぱり幻覚を見ていたのだろうか・・・?・・・


   ・・・・・


お腹のパウチから空気の抜ける音がする・・・
「終わりましたョ」
「パウチ剥がして付けてあげましょうか、どうします?」
「ありがとう。トイレへ行って自分で取り付けます」


「全部検査しましたが、きれいです」
「ポリープも見あたりません。あとで写真をお渡ししますから」
「ガスもずいぶん抜けましたからお腹も痛くないと思いますよ」


お腹を拭いていただいたり麻酔の針や酸素濃度計を外したりする間
T先生、H看護師さんと昨年のストーマ手術時の話や
入院時のこと、渡部先生が良くしてくださる等、しばし雑談。


今回は終わってベッドから起き上がる時も全く痛みもない。
自分でトイレへ行き、ストーマ・パウチを装着し、着替えて戻ると
H看護師さんが、ポラロイドのような腸内の写真をくださり
注意事項などとともに
「では、外科の渡部先生の所で説明を受けてください」で内視鏡検査は終了。


T先生、S先生、Hさん。ありがとうございました。


そして1階の外来外科へ
「ポリープもなし、全く問題ないね、よかった」と渡部先生。
いつも渡部先生には水曜日に診ていただいているのだが、今日は木曜日。
いつもより余裕があるようにお見受けした、時間も午後5時近かったせいかも知れない。


あれから1年2ヶ月だね、どうですか」
「はい。先生に丁寧にやっていただいたお陰で順調です」
先月、スキーへ行って来た話しや茅ヶ崎(いま先生は湘南藤沢徳洲会病院院長代行)の
ことなど。ていねいに、は先生との合い言葉、〇ち〇ち〇の方もね。
ていねいにやっていただいたお陰で元気で頑張ってます。


「では来年2月20日、一年後だけど腹部エコーと超音波やりましょう」
「72歳でしょ、75〜6まで用心すれば後は大丈夫ですよ、もう少しだ」と励ましてくれる。
「ありがとうございました。来年までよろしく」礼を述べて診察室を出る。


お腹は全く痛まない。しかし今朝から何も食べていない。
コーヒーが飲みたい。

それにしても内視鏡の時に見た天井とマウスの事が気になる。
やはり、あの時の痛み止め用の薬注入のせいだろうか。
「薬入れます。どうですか、効いてきましたか」と言われ
「ハイ、もっと・・・もっと」と言ったのは確かだと思う・・・が。

1階のドトールでコーヒーを飲みながら思い出すことにしよう。



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コメント

  • ストーマ 洗腸方法

    大腸ファイバーの前処置として、ストーマ患者の洗腸方法を教えてください。
    また、洗腸用の装具は本人が購入するのでしょうか?


  • Re: ストーマ 洗腸方法

    >>1
    ピースさん。大腸ファイバーって大腸内視鏡検査のことでしょうか?
    完全無穴(私)は肛門のある時に一度(長句腸がん手術前)とストーマになってからは年一度、おなかの人工肛門から挿入して三回行いました。
    ご質問の内容を拝見すると専門的な具体的検査方法のようですが、一般的には病院に検査の予約をすると検査前日に飲む薬を渡されるだけで指定時間に病院へ行き上記の「マグコロールP」(下剤)を飲ん見ながらトイレに通い腸内がきれいになったら軽い局部麻酔とともに人工肛門から内視鏡を挿入10~20分程度で完了。その場で腸内のポリープなど仮に異常があれば適切な処置をしてくれます。
    もう一つの質問、費用のことですが保険証を持参して診療が終わったら会計で支払った事は覚えていますがいくらだったか・・・
    いつも(数百円〜2000円くらい)だったと思います。高かった記憶はありません。質問の答えになってるかどうか不安ですが人工肛門になってからの内視鏡検査は肛門の時より楽だった気がします。*余計なことかもしれませんが完全無欠も2017年2月で手術後丸5年経ちます。3月に内視鏡検査をし、異常なければ直腸がんは完治という事で、もう病院へは行かなくていいそうです。 



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