人工肛門 用語解説
人工肛門 用語解説
人工肛門とは、消化管のガンや疾患等で肛門からの排泄が困難になった場合、
お腹に排便のための消化管排泄孔をつけることをいいます。
人工肛門と言う言葉はご存じの方も多いようですがストーマとかオストメイトと、カタカナで言われると、
何だろうと思う方も多いのではないでしょうか。私も最初は何のことか分かりませんでした。
人工肛門になった今もいろいろ解らない言葉や用語があります。
そこで消化管ストーマや尿路ストーマにかかわる用語や情報を調べてみました。
▼ストーマ 人工肛門 関連用語
【◎ストーマ 保有者】stoma
人工肛門の手術でストーマを造設した人のこと。オストメイトと同じ意味。
【◎人工肛門】stoma
人工肛門(stoma)は英語で「ストマ、ストーマ」などと呼ばれています。
【◎人工膀胱】
尿を排泄するために造設された尿路排泄孔。尿路ストーマを総称してウロストミーという。
尿路ストーマの事をウロストーマという。
【◎ストーマ】stoma
ストーマ stomaとは、消化管の疾患などにより、便を排泄するために腹部に造設された消化管排泄孔のこと。
【◎ストーマ サイト マーキング】Stoma site marking
術後のセルフケアが容易になるように、手術前にストーマ(人工肛門)造設に最適な位置を決めておくこと。※オストメイトの術後の生活パターンに合わせた位置決めが大事。
【◎ストーマ サイズ】Stoma size
ストーマ(人工肛門)の縦・横・高さのサイズ。ストーマのサイズは手術直後から数カ月の間は変化し、半年位でほぼ一定する。ストーマのサイズは装具を選ぶときの基本的な要素となる。
【◎オストミー】Ostomy
オストミー(Ostomy)とは、疾病や傷害などにより体内排泄物を排出させるために腸管に人工的に設けた小孔のこと。
【◎オストメイト】Ostomate
人工肛門の手術でストーマを造設した人のことをオストメイトと言う(人工肛門・人工膀胱保有者)。
【◎コロストミー】Colostomy
コロストミーは結腸に造設された人工肛門のことで「上行結腸ストーマ」「横行結腸ストーマ」「下行結腸ストーマ」「S状結腸ストーマ」があります。
【◎イレオストミー】Ileostomy
小腸の回腸部分につくられたストーマのことをイレオストミーといいます。
【◎ウロストミー】Urostomy
尿路変更術で、膀胱と尿道が切除された場合、尿管や回腸の一部を腹壁に固定する手術により造設されたストーマをウロストミーといい、排尿を行います。
【◎パウチ】pouch
便を収容する袋。お腹のストーマに装着する。パウチにはワンピース型とツーピース型があります。
【◎パウチング】Pouching
パウチをストーマに合わせて装着すること。
【◎ワンピース】onepiece】
ストーマ用語でワンピースは、一体型(一品)のパウチで一般的に2〜3日程度で取り替えます。
【◎ツーピース】twopiece
ストーマ用語でツーピースとは、お腹に取り付ける部分(面版)と便がたまる部分(パウチ)の二つ(二品)にわかれた装具で、
面版部分はお腹に付けたまま、パウチ部分だけ取り替えられます。
【◎フランジ】Flange
ストーマ袋接合部の輪状縁をいう。ストーマ周囲の皮膚に接着し、皮膚を平坦に保つ役目をする(面板:Face Plate)。
【◎ダブル ストーマ】Double stoma
ストーマには消化管ストーマと尿路ストーマがあり、消化管ストーマと尿路ストーマの両方を保有する場合がダブル ストーマ。なお、消化管ストーマをコロストミーまたはイレオストミーといい、尿路ストーマを総称してウロストミーという。
【◎WOCナース】Wound Ostomy Continence Nurse
WOCナースの前身はEnterostomal Therapist(ET)と呼ばれるストーマ ケア専門の医療資格を持つ看護師(次項)。
【◎ETナース】Enterostomal Therapist Nurse
人工肛門・人工膀胱のケアを専門にする認定看護師。創傷ケア、失禁ケアなどを行う。日本では、WOCナース(WOC看護認定看護師)として認定されている。
【◎ストーマ 外来】stoma
人工肛門の手術で退院したあと、ストーマ ケアや日常生活などの指導を行います。
【◎びらん】
ここでのびらんの意味は長期間ストーマ 排泄口につけるパウチ面版・密着により皮膚面がただれる場合がある(医学用語)。
【◎スキン ケア】Skin care
ストーマ 周囲、特に面版(Face Plate)部分は排泄物やストーマ 装具などの刺激で皮膚トラブルがおこりやすい。スキンケアにより発赤、表皮剥離、ただれ、かゆみ、痛みなどから皮膚を守る必要があります。(ストーマ パウダー・リモイスコート等) ⇒ パウチ 手入れ 方法
【◎ストーマ ケア】Stoma care
ストーマ装具の選び方・装着方法と交換、皮膚の清拭、パウチ内の排泄物処理法に加え、ストーマの生活面・身体面・心理面について、オストメイトの配慮、気配り、手入れ、メンテナンスなどをすること。
【◎ストーマ ガス抜き】
ストーマ パウチ内に発生したガスが充満するのを防ぐために、時々トイレでパウチ内のガスを排出すること。現在では多くのパウチで消臭剤付きガス抜きの小窓がついているものが多い。
【◎カテーテル】Catheter
医療用に用いられる中空の柔らかい管。消化管や尿管などの管腔部または血管などに挿入し、体液の排出、薬液や造影剤などの注入点滴に用いる。ストーマ 関連では体内で便や尿を導出するための管をいう。
【◎陥凹型(かんおうがた)ストーマ】
ストーマの排泄口(人工肛門)がお腹の皮膚面より内側にあるストーマのこと、ストーマがお腹より凹んでいる場合のこと。
【◎ストーマ周囲皮膚障害】
ストーマ 周囲皮膚の病的状態(びらん・潰瘍など)※びらんの項参照
【◎皮膚被膜剤(スキンバリア) 】
ストーマ周囲の皮膚を排泄物やテープ類などの刺激から守るために、皮膚に塗って薄い被膜をつくる。皮膚がかぶれ易いオストメイトに重宝。
【◎ストーマ 装具・ストーマ用品・洗腸用具】
ストーマからの便や尿など排泄物を受けるためのオストメイト支援用具の呼び名。
【◎自然排便法】
大腸の蠕動運動にまかせ、ストーマから出てくる便をパウチで受けるのが自然排便法。尚、強制排便法とは、洗腸(灌注)排便法や下剤などで蠕動運動を促し排便する方法。
【◎洗腸排便法(イリゲーション)】Irrigation
灌注排便法で、強制排便のひとつ。自然排便法に対して洗腸排便法といわれる。専用の洗腸用具で、ストーマから微温湯を注入して大腸に刺激を与え、一気に排便を促す方法。24時間~48時間は臭いのないガスのみが出て排便が起こらなくなる。この強制排便法には適応・不適応の判断が必要で、主治医の許可を得る必要がある。
【◎面板 or フランジ 】Face Plate
パウチをお腹に接着するドーナツ状の接合面のこと。ストーマ周囲の皮膚に接着、固定する。
【◎消臭剤 】
ストーマ袋内の排泄物の臭いを減らすために開発された薬剤で、ストーマ袋に注入して使用する。
【◎皮膚保護ペースト 】
ストーマ周囲の皮膚のしわ・くぼみによる凹凸を埋めて皮膚の表面を平坦にするペースト状の皮膚保護剤。
【◎皮膚保護パウダー】
パウダー状の皮膚保護剤で、ストーマ周囲の皮膚に振りかけて皮膚を保護すると同時に面版を密着させることにより、ストーマと皮膚への排泄物付着を防ぐ。
【◎皮膚保護ウエハー】
ウエハー状の成形可能な皮膚保護剤シールでストーマ周囲の皮膚形状が良くない場合、皮膚の凹凸を補正し、面板の密着性を高める。
【◎剥離剤(リムーバー)】
パウチ・皮膚保護剤・粘着テープ等、皮膚に直接接着している装具を剥がすときに使用する液体。ストーマ装具の交換用には必携。
【◎ストーマ袋カバー 】
夏季の発汗等で、ストーマ袋部分で蒸れを起こして皮膚に真菌などが発症するのを防ぐため、ストーマ袋にかぶせて汗を吸収する布地製カバー。
【◎サージカルテープ】
パウチ面板の皮膚への密着をよくするために面板の周囲に貼り付ける、かぶれにくい粘着性のテープ。
【◎固定用ベルト】
パウチを固定し、身体の動きで装具がずれたりはがれたりしないようにするベルト。
【◎パウチ専用穴あけはさみ】
パウチ面板の中心部分をストーマのサイズに合わせて円形に穴をあけるために、刃の部分を緩やかにカーブさせた専用ハサミ。
【◎レッグバッグ(下肢装着用蓄尿袋)】
遠出や就寝時などで長時間にわたり排出処理ができない時や就寝時、通常のストーマ袋では蓄尿が難しい場合、予備の蓄尿袋と接続することにより蓄尿量を増やすためのバッグ。
【◎ナイト・ドレーナージバッグ(夜間用蓄尿袋)】
レッグバッグと同様に、就寝時、通常のストーマ袋に接続して蓄尿するバッグ。
【◎尿管チューブ】
尿管に挿入し、尿を排出させる細い管。
【◎カテーテル】
医療用に用いられる中空の柔らかい管。胸腔や腹腔、消化管、尿管などに挿入し、体液や尿を排出させたり薬液を注入したりする細い管状の医療器具。※血管内治療にカテーテルが使われる。
【◎ドレーン】
手術のあと、患部にチューブの先端を入れて、たまった膿や分泌物を体外に排出するための管・容器。
【◎日薬】
日薬という薬があるわけではない。1日一日、日にちが経って手術などの傷とかが治っていくさまを言うらしい。
【◎コンプライアンス】
医療現場では「あの患者さん、コンプライアンスが低そうなので、再発のリスク高そうです」などと使う言葉だが、服薬遵守を服薬コンプライアンス等と呼び、患者さんがキチンと薬を飲むかどうかについて使われる。
▼ガン 関連用語
【◎大腸がん 転移】
大腸がんは、胃がん、肺がんについで3番目に多いそうだ。大腸がんが進行すると肺、肝臓、リンパ節や腹膜などに転移する。最も多いのは肝臓への転移で、大腸からの血流は1度は肝臓を通るので、血行性の転移はここで最も発生しやすいという。ストーマ 手術で転移しやすいのは肝臓、肺だと言われた。
【◎直腸がん 再発する場所】
直腸がんでは、骨盤内、肺、肝臓の順番で多くなり、結腸がんでは、肝臓、腹腔、肺の順番で多くなる。
再発する人の90パーセントは、術後2~3年以内といわれている。
その間に再発がない場合は、完治と思われるが、肺の転移は術後4~5年目の場合もある。再発の早期発見には、血液中の腫瘍マーカーを測って、痛みなどの自覚症状が出る前に発見する必要がある。
【◎前立腺】
「前立腺」は男性だけにある臓器
「前立腺」は膀胱の下部、栗ぐらいの大きさで尿道が中を通っている。
「前立腺」は男性だけにある臓器で、生殖器の1つ。生殖活動のためにはなくてはならない。
「前立腺」はその働きやしくみにまだ不明な部分も多く「未知の臓器」と呼ばれている。
wikipedia参考● http://2br.in/0LCQx
【◎前立腺の働き】
前立腺は前立腺液を分泌し、精液の一部をつくったり、
精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割がある。
さらに前立腺は膀胱出口の開閉に関わるなど重要な役割がある。
【◎前立腺 PSA】Prostate Specific Antigen
前立腺肥大、前立腺がんはPSA数値で判断される。
◎よく使われている「タンデムR法」によるPSAの目安数値
0〜4 ng/ml :正常値
4~10ng/ml :25~30%にがんが発見される。
10ng/ml〜 :50〜80%の確立でがんが発見される。
100ng/ ml 〜:前立腺がん可能性大、転移の可能性も大。
【◎前立腺 がん】
前立腺がんの進行程度やリンパ節転移、骨転移の有無などを調べる方法。
・直腸内指診(直腸診):医師が肛門から直接指を挿入し、直腸越しに前立腺に触れて状態を診断する検査
・CT Computed Tomography:身体をエックス線で断面を調べる方法。
・MRI Magnetic Resonance Imaging:強い磁場の中で生ずる電磁波をコンピューターでとらえて断面像を得る方法。
・骨シンチグラム:アイソトープの静注によって骨転移の有無を調べる方法。等
【◎グリソン・スコア】Gleason Score
前立腺がんの悪性度を分類する数字を表す。前立腺癌を組織の状況と浸潤の状況から1~5の5段階で表し、
最も多くの面積を占める組織像と、その次の組織像をそれぞれスコアで表して合計したものがグリソン・スコア。
おとなしいものは、1+1=2 になり、悪性のものは、5+5=10 になる。
点数が大きいほど悪性度が高いということになる。
【◎セカンド・オピニオン】
主治医以外の医師の意見を聞くことをセカンドオピニオンという。
医師にとっても誤診を回避するなど多くのメリットを持った仕組みであり、直訳すれば第二の意見。
「主治医に失礼になるのでは」と思われがちだが、その心配はご無用。
▼医療・福祉関係の主なお役立ちサイト▼
⇒ 財団法人「日本障害者リハビリテーション協会」情報センター
⇒ ハッピーストーマ
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